基礎知識

取引所と販売所の違い

同じアプリに二つの売買画面があるのはなぜか。取引の相手、価格の決まり方、スプレッドと注文の仕組みを、簡単な例で確かめます。

「取引所」には二つの使われ方がある

ニュースでは、暗号資産の売買や管理を扱う会社・サービス全体を「取引所」と呼ぶことがあります。一方、アプリの中に「取引所」と「販売所」が並んでいる場合は、売買の方式を区別していることが一般的です。会社の名前を指しているのか、注文画面を指しているのかで、言葉の範囲が変わります。

一つの事業者が両方を提供していても、取り扱う銘柄、最低数量、使える注文方法は同じとは限りません。「その会社で買える銘柄」だけでなく、「どの方式の画面で売買できる銘柄か」まで確認すると、説明の食い違いを避けられます。

販売所では、事業者が売買の相手になる

販売所では、事業者が提示する価格を見て売買します。利用者が購入するときは事業者が売り手に、利用者が売却するときは事業者が買い手になります。金額や数量を入力して確認する操作が中心ですが、提示価格には有効時間があったり、相場の状況によって注文が停止されたりする場合があります。

購入価格と売却価格の間には、スプレッドと呼ばれる差があります。仮に、同じ時点で1単位の購入価格が105円、売却価格が100円なら、買った直後に同じ数量を売っても5円分の差が出ます。これは仕組みを説明する架空の数字です。「売買手数料無料」の表示だけで、往復のコストまでゼロとは判断できません。

取引所では、注文を出して成立を待つ

取引所の板取引では、価格ごとの買い注文と売り注文が並び、条件の合う注文が組み合わされて取引が成立します。この成立を「約定」と呼びます。主な相手は他の利用者などで、取引ルールによっては運営事業者などの注文も含まれます。注文を送信しただけで、希望の全数量を売買できたとは限りません。

指値注文は、買う価格の上限や売る価格の下限を指定します。相手がいなければ成立せず、一部だけ約定することもあります。成行注文は価格を指定せずに出すため、注文の量や板の厚さによって、画面で見ていた価格からずれることがあります。取引所にも買い気配と売り気配の差はあり、別途売買手数料がかかる場合もあります。

比較するなら、実際の条件をそろえる

販売所か取引所かという名称だけで、有利さや使いやすさを一律には決められません。売買する数量、必要な時間、銘柄、注文方法によって条件が変わります。同じ時点の同じ数量で、実際の受取額や支払額を確認することが大切です。

  • 取引前:提示価格や板、売買手数料、最低数量、注文の有効期限を確認する。
  • 取引後:約定した数量と平均価格を確認し、未約定の注文が残っていないか見る。
  • 資産を移す前:日本円の出金手数料と暗号資産の送付手数料、対応ネットワークを別に確認する。

出典・参考資料

内容は確認日時点の資料に基づきます。利用条件や今後の日程は、リンク先の最新の案内もご確認ください。